慎也さんとの待ち合わせの時間までに、私は大学の勉強をする。
休憩の合間に、また新しいパパ候補を見つけ、その人にアプリでメッセージを送る。
少し他愛もない話をして、出会い系のアプリから
LINEへと移るように仕向ける。
LINEでトークをするようになったら、また勉強へと戻る。
学生の本分の勉強を疎かにしないように、尚且つ私の生活、金銭的にも楽ができるように努力を・・・・・って。
私は田舎者出身なんだけど(笑)
こういう所はしっかりしよう・・・・って思ったんだ。
私の顔は全然可もなく不可もなくの普通の顔。
だけど中年の人からしたら、『若い』ってだけで三倍ましに可愛く見えたりするんだなあって。
この歌舞伎町で学んだから、私は。
最近、何だか多方面に気を使い過ぎて疲れが溜まってる気がする・・・・
先輩キャバ嬢のヘルプに着くときも、ミスなんか出来ないし話題にも気を使うし・・・・
慎也さんだって。私に同情でお金をくれてたりするのかなって・・・
そう思ったら私は自分の気持ちが惨めになってしまうし、
でも嬉しい気持ちもあるし・・・・・
大学の友達はみんな親の仕送り+居酒屋のバイトとかで
そこそこお金を持って楽しそうにしてるし・・・・・
出会い系アプリでパパを必死に探してる私ってなんだろう・・・・・
1人で色々考えながら勉強してたら全く身に入らなかった
あーあ、失敗したなあって思いながら飲み物が無くなった私は、
新しい飲み物を買いにレジへ。
こんな事、友達に相談なんて出来やしない。
私と周りの友達の環境は全然違うし、話した所で理解もしてもらえないんだろうなあ・・・・
ちょっと憂鬱になりながらも、飲み物を待っている間にも、
出会い系アプリをチェック。
いい人いないかな~とか、誰かからメッセージきてないかなあって。
勉強を再開して暫くして、慎也さんとの待ち合わせの時間少し前になっていた。
私は勉強道具一式を片付け、待ち合わせ場所へと向かう。
慎也さん『あ、ごめんね、お店お休みの日にわざわざ僕の食事に付き合わせちゃって。』
と、少しハニカミながら私に手を振る慎也さん。
少し、素敵だなって思った私(笑)
「全然大丈夫ですよ。家で朝から夜まで勉強してるなんて、気が滅入って仕方がないですから」
じゃあ、行こうか。と慎也さんが歩き出したその後を私が付いて行こうとすると、急に慎也さんが振り向いた。
慎也さん『ごめん、今日だけでいいから手を繋いでもらってもいいだろうか?』
と少し遠慮気味に私に聞いてきた。
「えっいいですよ、もちろん。」
そう言って私は慎也さんに向かって手を差し出した。
「私も、慎也さんと手を繋ぎたいなって思ってましたから」
と付け足して。
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