「出会い系……か」
私は悩んだ。
確かに、ここで連絡を取り、上手く行けばお店に来てくれるかもしれない……
けど……
でも、変な人とか居るイメージ……
そう悩んだ私は中々前に進めないでいた。
悩んでいる内に、時間だけが進んでいった。
自分ではなんだか決断できなくて、あの日私をスカウトした人に相談してみた。
『いいんじゃないか?夜の世界では、出会い系でお客さんを捕まえる人もいる。ま、中には変な人も少なからず居るけどね』
と、結構軽い感じに。
軽い言い方だったけど私は何だか背中を押された気分になった。
お金の為に、頑張ろう……!!!!!
そう思って、私は出会い系アプリに登録した。
お店の源氏名、『あい』という名前で。
相変わらず大学の勉強は忙しくて、その合い間に自分の氏名のお客様と連絡や営業をしつつ、アプリで新しい人達と連絡を取り、さり気なく営業を掛けていくのは凄く大変だった。
自分のプライベートなゆったりとした時間は少なくなったけど、
私は何かが変わってくれる気がして必死だった。

早く何かを変えたくて仕方がなかった。
確かに変な人もいた。
自分のち〇この写真をいきなり送り付けられたり、
やたら下ネタの話題ばかり出してくる人等……
そういう人達と、そうじゃない人達を選別しながら連絡を取り始めて
1か月。
いつも通り私は出勤した。
ある週末に1人の人が私に会いに、指名でお店に来てくれた。
その時はまだ「ラッキー☆」程度にしか思ってなかったけど……
この人と私は、『客とキャバ嬢』なんてあっさりした関係以上の関係になれた。
パパになってくれるまで、時間はそう掛からなかった。
「こんばんは!まさか本当にお店に来てくれるだなんて思ってませんでした♡」
そう嬉しさを表しながら席についた私。
初めて会う、パパになるその人にドキドキしていた。
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