最初はテーブルマナーなんて全然わからなかった。
でも私のパパはそんな私も『可愛い』と言ってくれ、優しく教えてくれた。
そんなパパと私が出会うまで、
後少し。
スカウトという存在を知らずホイホイとついて行った私。
ついていった先では、自分にはとても眩しい位煌びやかな世界が広がっていった。

そして、この日から私は歌舞伎町のキャバクラで働く事になったのだった。
最初は本当にお酒に弱く、すぐ酔っ払ってしまって使い物にならなかったと思う。
出勤をこなす内に自然にお酒に耐性がつき、仕草や話し方を研究し、本当に少しずつだが、指名客を作ることが出来た。
指名のお客様からもらったドリンクや、指名料は、私の時給分のお給料に追加されるボーナスのようなもの。
最初は、「時給とは別でお給料を増やす方法があっただなんて……!」
と、感動した(笑)

本当に夜の世界の事を何にも知らなかったんだ、私。
でも、出費もそれなりにあった。
ヘアメイクやドレス、ヒール、etc…………
見窄らしい格好が出来ないと、周りの先輩方を見て強く思うようになった。
と、同時に、先輩には簡単には叶わない部分があった。
『接客技術』
フリーのお客様には、3人の女の子が時間交代で着くようになっている。私が頑張っても、まだまだどうしても先輩の接客技術には勝てず、中々場内指名を貰えなかった。
「最初から私のことを指名してくれるお客様が欲しい」
私は段々そう思うようになった。
何か……何か方法は……
そう考え、悩む毎日だった。
『どうしよう』って焦りばかりが毎日積もって言った。
そんな時、スマホでドレスの通販サイトを開いていたら、一つの広告が出てきた。
それは私にもっともっと縁がなかった、『出会い系アプリ』の広告だった。
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